発作(てんかん、失神、前庭疾患、呼吸器系疾患等)
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発作
人間の場合、発作というと、心臓系(失神、狭心症)、脳神経系(てんかん)、呼吸器系(喘息発作)などが考えられますが、獣医療の場合、一般の方が『発作』が起きたと表現される時は、以下のような病態が考えられます。
- 脳疾患(てんかん、脳腫瘍、脳炎、水頭症 等)
- 心臓疾患(不整脈 等)
- 突発性前庭疾患
- 呼吸器系(気管虚脱、短頭種気道症候群、咽頭麻痺等)
- 感染症(胸水による呼吸速迫)
- 非常に強い痛み(環軸亜脱臼 等)
- 食道拡張症(症状が食後に出現する)
- 門脈シャント(症状が食後に出現する)
脳疾患
いわゆる、てんかん発作が有名ですが、専門の検査センターの報告では、てんかんと思われる症例のうち、脳炎や脳腫瘍や奇形が原因の場合も少なからずあります。脳の疾患が疑われる場合は、MRI、CT検査が必要です。
キャミック資料より
けいれん(てんかん)
ドーベルマンの突発性頭部振せん
ドーベルマンの場合、一過性で自然と消失します。
水頭症
振せん、けいれんを繰り返し、立てなくなりました(私の子)。
サンドホフ病
先天性の疾患です(私の子)。
心臓疾患
いやゆる、失神をするケースが多いですが、時にてんかんと区別が困難なこともあります。心電図・心エコー・レントゲン検査が必要です。
失神
心臓奇形によるもの(私の子)。
心室頻拍(VT)
ボクサーARVC、ドーベルマンDCMで頻発する不整脈で、失神や突然死の原因となります。
右大動脈遺残、もしくは食道拡張症。
動画は猫ですが、犬に多い。食事をとった直後に苦しくなります。
高度ブロック
犬でもシュナウザー等に類似の疾患がしばしば認められます。
食道拡張症(アカラジア)
食後に苦しくなることが多いです。
動画準備中
突発性前庭疾患
高齢の犬に多く、眼振や、斜頸が出現し立てなくなることが多いです。
眼振
斜頸
呼吸器系
喘息と間違えられることが多いです。小型老犬には気管虚脱、短い鼻の犬には短頭種気道症候群が発生します。
気管虚脱
小型犬に多い。喘息と思われる方がいるようですが、気管の変形に伴うものです。投薬による治療が一般的です。
短頭種気道症候群
鼻が短い犬で発症します。軽症では投薬、重症の場合は専門医での外科的治療が必要です。
喉頭麻痺
喘息発作様な感じに見えることもあります。
感染症
FeLVによる胸水
胸水による呼吸速迫。死亡当日まで食欲はあったが、突然死した。猫の場合、呼吸速迫は甲状腺機能亢進症でも見られる。
環軸亜脱臼
多くが小型犬で発生して、激痛で泣き叫び、立てなくなります。
環軸亜脱臼
首の骨の亜脱臼。小型犬に多く、突然の激痛で立てなくなります。てんかん発作と誤解される方がしばしばいらっしゃいます。CT検査が必要です。
門脈シャント
常に、食後に体調不良になります。
門脈シャント
成長不良の子でしばしば認められます。右大動脈遺残や食道拡張症と同様に、食後30分程度以内に、よだれや嘔吐が出現します。血液検査、CT検査が必要です。