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眼科

眼科

角膜外傷、高血圧性網膜剥離(腎不全の猫)、緑内障 等は、迅速な対応が必要です。状況に応じて、専門医(http://www.jscvo.jp/expert/)等に紹介いたします。

出血

出血
黒目が赤い
網膜はく離、眼内腫瘍、血液凝固障害など
出血
黒目の下の部分が赤い
左の写真の状態が経過したケース
出血
黒目の下の部分が赤い(ハムスター)
前の写真と同様、眼内出血後、血液が下に沈殿した状態
出血
白目が均一に赤い
外傷性の出血など

網膜の疾患

① 網膜はく離

水晶体脱臼と網膜はく離の症例(猫、腎障害)

網膜の疾患
網膜はく離 (眼底写真)
放置すると失明。高血圧性の場合、迅速な対応で、視覚は回復。
網膜の疾患
網膜はく離 (エコー画像)
アホウドリの翼のようなガルウイングが特徴
網膜の疾患
網膜はく離
明るい場所でも、瞳孔が開いているのが特徴

② 進行性網膜萎縮症(PRA)

遺伝子検査と併せて診断。しかし、遺伝子検査が陽性(positive, affected)でも、かならず発症するわけではありません。陽性時の発症確率(オッズ比)は不明です。

    

③ 先天性の失明

先天性網膜萎縮症(猫)

cPLRテスターによる検査

水晶体の疾患

① 白内障

犬の白内障(成熟白内障)
成熟白内障(犬)
核硬化症と区別が必要
猫の白内障(成熟)
成熟白内障(猫)
糖尿病性白内障
猫の白内障<
初期白内障(猫)
ウサギの白内障
成熟白内障(ウサギ)
犬の白内障
白内障(犬、成熟)
エコー画像

犬の白内障の手術は、紹介になりますが、術後の緑内障の発症が少なからず報告されています。当院では白内障に起因するぶどう膜炎の予防薬の点眼治療がメインの治療方針です。

② 核硬化症

核硬化症
核硬化症
白内障と違い、全体的に均一に青白い

犬猫では、5~6歳で、水晶体の中心部が均一に青白くなる核硬化症が発症します。白内障と違い、視覚には影響しないので、治療対象外です。核硬化症は、しばしば白内障と誤解されています。

③ 水晶体脱臼

水晶体脱臼
水晶体後方脱臼
水晶体脱臼
水晶体後方脱臼
エコー画像

後方脱臼と、前方脱臼がある。眼球摘出(当院でも可能)が治療法。

④ 水晶体形成不全

水晶体形成不全

緑内障

猫の緑内障
緑内障(猫)
猫の緑内障は、腫瘍などの二次性のものが多い
緑内障
緑内障(犬)
初期は、痛みもなく、結膜炎と診断され、手遅れになる時がある(眼圧検査は必須)
緑内障
牛眼(犬)
緑内障を放置すると、牛の様に眼が大きくなる。
ウサギの緑内障
緑内障(ウサギ)
ウサギの緑内障
緑内障(ハムスター)

眼圧が上昇し、失明する疾患。痛みや、結膜の充血等を伴う事が多い。直ちに治療を開始しないと失明する。眼圧計のある病院で治療しましょう。猫の緑内障は、犬の原発性の緑内障とは異なり、腫瘍や致死性感染症の際に2次的に発症することがほとんどです。

角膜の疾患

ネコの角膜黒色壊死症
ネコの角膜黒色壊死症
ネコの角膜黒色壊死症
ネコの角膜黒色壊死症
角膜外傷
角膜外傷
外傷の確認は、傷が染まる緑お色素で行います
角膜外傷
角膜外傷
広範囲の外傷が認めれられる
角膜外傷
角膜外傷
深い外傷の為、検査色素の沈着が濃い
角膜変性症
角膜変性症
色素で調べるまでもなく深い傷が確認できる
角膜炎
角膜炎
角膜への血管進入、黒い色素沈着、中央の外傷(緑の色素)。
角膜炎
角膜炎
角膜に血管が伸びています
角膜炎
角膜炎
色素沈着
角膜の色素沈着
慢性的な被毛の刺激が原因でパグ、シーズーに多い
角膜穿孔
角膜穿孔
角膜変性症(ジストロフィー)
角膜ジストロフィー
コリー系に多い先天性疾患で、白い斑点ができる
乾燥性角膜炎
乾燥性角膜炎
眼やに、黒い色素沈着。涙液の産生低下で起こるり、シーズーに多い。
乾燥性角膜炎
乾燥性角膜炎
左の症例を治療後
乾燥性角膜炎
乾燥性角膜炎
円錐角膜
円すい角膜
角膜が白く濁り、横から見ると突出する疾患で、専門医による治療が必須
角膜内皮ジストロフィー
角膜内皮ジストロフィー
中高齢以降に出現し、治療に反応しない。
周囲角膜炎
周囲角膜炎

角膜は、眼の一番外側の透明の膜です。外傷、慢性的な被毛の刺激、涙液量の低下で、痛み、白濁、色素沈着を起こします。外傷は直ちに治療が必要です。先天的な変性症もあります。瞬目(眼をパチパチする)がある場合、外傷が有るケースがほとんどです。

前眼房の混濁・沈殿

出血
出血
炎症産物の沈殿
炎症産物の沈殿

前眼房は、出血で赤くなり、炎症産物が沈殿しで白くなり、脂肪様防水で均一に白くなる

涙やけ(流涙症)

涙やけ
涙やけ
異所性のまつ毛
異所性まつ毛
ろう管現象
ろう管現象

涙やけは、涙液量増加(異所性まつ毛による刺激、ろう管現象)、涙液排出路異常(下眼瞼内反、鼻涙管閉塞)、マイボーム腺の機能異常によって発生する。

瞬膜(第三眼瞼)の疾患

瞬膜充血・浮腫
植物アレルギー(薔薇)
瞬膜の突出
瞬膜突出(猫)
犬猫は体調不良野際にしばしば突出する
瞬膜の突出
瞬膜突出(犬)
犬の感染症時の突出
チェリーアイ
チェリーアイ
ひどいものは手術が必要(当院でも可)
瞬膜T字軟外反
瞬膜T字軟外反
メラノーマ
メラノーマ

犬猫には、人間にはない瞬膜が眼の内側に存在します。体調不良、風邪などで目立つように出てきます。チェリーアイという、瞬膜にある分泌腺が突出する疾患も有名です。

硝子体の疾患

星状硝子体症
星状硝子体症
ヒトの飛蚊症に相当
硝子体変性
硝子体変性
エコー画像

眼にできるイボ

マイボーム腺腫
マイボーム腺
マイボーム腺の開口部、ブツブツしたところ
マイボーム腺腫
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)
ものもらい
マイボーム腺腫
霰粒腫(さんりゅうしゅ)
結膜に乳白色の皮脂の塊が確認できることがある
マイボーム線腫
マイボーム腺腫
多くが良性の腫瘍、犬に多い
マイボーム線腫
マイボーム腺腫
良性だが角膜に接触して角膜炎を引き起こすので、早期切除が望ましい
肥満細胞腫
肥満細胞腫(猫)
猫の目のイボは悪性のものが犬(猫90%、犬30%)に比べて多い

眼のふちには、マイボーム腺という分泌腺があり、眼の表面に油分を分泌している。マイボーム腺が細菌感染して化膿して腫れたものが、ものもらい(麦粒腫、ばくりゅうしゅ)、マイボーム腺がつまって腫れたものが霰粒腫(さんりゅうしゅ)、マイボーム腺の腫瘍をマイボーム腺腫という。

虹彩の疾患

虹彩メラノーマ(猫)

虹彩の奇形(瞳孔膜遺残)
瞳孔膜遺残
虹彩の奇形
虹彩の変性
虹彩変性

高齢の犬の場合、しばしば、右眼と左眼の大きさが違って見えることがあります。虹彩の委縮が起こると、視覚には影響しませんが、光の調節がうまくいかず、そのようになることがあります。

結膜・強膜の疾患

強膜炎
強膜炎(犬)
結膜炎
結膜炎(犬)
結膜の浮腫
結膜浮腫(猫)
結膜の癒着
結膜癒着(猫)
幼猫で、感染症などの炎症がつづくと見られる
黄疸
黄疸
白眼部分が黄色になる
出血
外傷性出血
均一に赤くなります

白眼が赤くなったという飼主の表現は、一般的には強膜・結膜炎の状態です。黄疸(肝臓障害)があれば黄色になります。

腫瘍

眼内腫瘍のエコー(猫)

虹彩メラノーマ
虹彩メラノーマ(猫)
扁平上皮がん
扁平上皮がん(犬)
猫の虹彩部の腫瘍(黒い部分)
虹彩メラノーマ(猫)
緑内障を発症していた

迅速な摘出手術が必要です(当院でも可能)

眼窩下の腫れ

右眼窩下の腫れ
根尖部膿瘍(左眼窩下の腫れ)
右 のCT画像と同様、歯の根元の膿が原因
眼窩下の腫れ

眼の下が腫れたというご相談がよくありますが、眼ではなく歯が原因の事が多いです。歯の根元に膿がたまり、骨を溶かして、皮膚に溜まり腫れます。

斜視

外斜視
内斜視
先天性は生後数ヶ月ではっきりしてくる
外斜視
外斜視
パグ、キャバリアに多い
腫瘍性の片側性外斜視
片側性外斜視
腫瘍性の場合が多い

先天性の斜視(シャム猫、内斜視)や、眼が大きく眼窩に入らないタイプの斜視(外斜視)は、治療対象外。成長後、斜視になるケースは、水頭症(チワワなど)、眼の後方の腫瘍が原因の事が多い。

アレルギーによる眼の周りの浮腫

植物(バラ)によるアレルギー
植物(バラ)アレルギー
眼の周囲の腫れ
消臭剤によるアレルギー
消臭剤アレルギー
眼の周囲とマズルの腫れ

植物、虫ささされ、食べ物、ワクチン、消臭スプレーなどが原因で発生します。眼の周りや顔全体が腫れます。気管周囲が腫れると窒息死するので至急の対応が必要です。

アトピー(眼の周囲の脱毛・痒み)

アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎
眼の周囲の脱毛、痒み
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎
柴の系統は、このように黒くなることが多い

アトピー性皮膚炎では、両眼の周囲の脱毛、赤み、黒い色素沈着が見られます。全身の痒みを伴います。

眼球振とう(眼振、がんしん)

内耳疾患に併発した眼振

運動障害により眼球に外傷がないか拡大して確認する

自分の意志とは関係なく眼が動く症状球の犬の前庭疾患や、内耳の疾患に併発する。同時に首の斜傾(ななめに傾く)が出現し、運動障害が起こることが多い。